こんにちは、Ruby Parkです!
海外で子育てをしていると、子どもの急な体調不良は本当に心配になりますよね。

カナダでは、まず予約して、かかりつけのファミリードクターや小児科医に診てもらうのが基本です。
しかし、夜間や週末で予約が取れない場合や、そもそもファミリードクターがいない・見つからないという方も多いですよね。
そんな時に選択肢となるのが、予約なしで診てもらえるウォークインクリニックや救急(ER)ですが、いざという時に「どちらを使えばいいの?」と迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、カナダ(特にオンタリオ州)在住の方向けに、「子どもが急に発熱した時のウォークインクリニックと救急(ER)の使い分け」をテーマに、私の経験も交えながら情報をシェアしたいと思います。
目次
まずは落ち着こう!知っておきたい子どもの発熱の基礎知識
子どもが熱を出すと、つい焦ってしまいますが、そもそも発熱は体がウイルスや細菌と戦っているサインと言われています。
多くの場合、数日で自然に回復に向かいます。
大切なのは、慌てずにお子さんの様子をしっかり観察することです。
一般的に、ご家庭では以下の点を心がけると良いと言われています。
- 水分補給を十分に: 脱水症状にならないよう、水やジュース、経口補水液などをこまめに与えるのがおすすめです。
- 快適な環境を保つ: 薄着にさせて、体を冷やしすぎないように注意します。汗をかいたら着替えさせてあげましょう。こまめに換気もすると良いそうです。
- 解熱剤の使用について: 熱が高いこと自体が悪いわけではありませんが、お子さんがぐったりして辛そうに見える時は、解熱剤の使用を検討することもあるかもしれません。カナダではアセトアミノフェン(Tylenolなど)や、生後6ヶ月以上であればイブプロフェン(Advil、Motrinなど)が一般的に使われていますが、使用前には必ず製品の指示を読み、体重に合わせた規定量を確認してください。不安な点があれば、薬剤師や医師に必ず相談しましょう。

こんな時は救急(ER)へ!見逃せない危険なサイン
ただの風邪や発熱に見えても、中には緊急の対応が必要なケースもあります。
以下の内容は、カナダの医療機関などが注意を促している危険なサインの例です。
これらに当てはまる、または少しでも「おかしい」と感じた場合は、ためらわずに救急(ER)を受診するか、911に連絡してください。
- 生後3ヶ月未満の乳児で、直腸体温が38.0°C(100.4°F)以上ある
- 体温が40.0°C(104.0°F)以上の高熱
- 呼吸が苦しそう、または普段より明らかに呼吸が速い
- 顔色や唇の色が青白い
- ぐったりしていて、呼びかけへの反応が鈍い、または全く目を覚まさない
- けいれんを起こした
- ひどい頭痛や首の痛みを訴える、または光を異常に眩しがる
- 体に青あざのような発疹が出た
- 水分を受け付けず、おしっこの量が極端に少ないなど、脱水症状が疑われる
- 激しい腹痛や嘔吐を繰り返す
- 頭を強く打った後や、高いところから落ちた後などの発熱

ウォークインクリニックはどんな時に使う?
そこまで緊急ではないけれど、かかりつけのファミリードクターの予約がすぐに取れない時や、まだファミリードクターが見つかっていない場合に頼りになるのがウォークインクリニックです。
例えば以下のような、比較的症状が軽いと思われる場合に利用を検討することができます。
ただし、これらはあくまで一般的な目安です。
- 咳、鼻水、喉の痛みなど、風邪のような症状
- 耳の痛み
- 軽い発疹
- 軽度の嘔吐や下痢(水分が摂れている場合)
- 捻挫や打撲
ただし、ウォークインクリニックによっては、小さい子どもを診ていなかったり、専門外の症状には対応できなかったりする場合もあります。
事前に電話で子どもの年齢と症状を伝え、受け入れ可能か確認するのがおすすめです。
判断に迷ったら「ヘルス・コネクト・オンタリオ」に電話
「ERに行くべきか、ウォークインでいいのか、それとも家で様子を見るべきか…」どうしても判断に迷う時は、「Health Connect Ontario(ヘルス・コネクト・オンタリオ)」に電話で相談しましょう。
- 電話番号:811 (TTY: 1-866-797-0007)
これは、かつての「Telehealth Ontario」が新しくなったサービスで、24時間365日、無料で登録看護師に健康について相談できます。

症状を詳しく伝えると、専門的な知識からアドバイスをもらえ、次にどうすべきか(家で様子を見る、クリニックに行く、ERに行くなど)を判断する大きな助けになりますよ。
【英語が苦手な方へ】日本語・テキストで相談できる窓口も
「電話での相談は少しハードルが高い…」と感じる方には、日本語のテキストメッセージで相談できるサービスもあります。
ジャムズネット・カナダ(Jamsnet Canada) は、オンタリオ州在住の日本人や日系人を対象に、医療支援を行う非営利団体です。
オンタリオ州認定看護師が、テキストメッセージを通じて日本語で医療に関する相談に応じてくれます。
- テキスト番号: 647-693-6981
- ウェブサイト:
https://jamsnetcanada.org/
こちらも緊急医療を目的としたものではないので、その点はご注意ください。
受診の際に必要な持ち物リスト
いざという時に慌てないよう、以下のものをまとめておくとスムーズです。
- 健康保険証(OHIPカード)
- 服用中の薬のリスト、またはお薬手帳
- アレルギーの有無に関する情報
- (あれば)プライベート保険のカードやID番号
- 子どものお気に入りのおもちゃや本、タブレットなど(待ち時間対策)
- オムツ、おしりふき、着替え
- 飲み物や軽食
まとめ:いざという時のために、正しい知識と準備を
今回は、子どもが急に発熱した際の、救急(ER)とウォークインクリニックの使い分けについて、情報をまとめてみました。
- 危険なサインが疑われる場合は、迷わず救急(ER)へ
- 症状が比較的軽いと思われる場合は、ウォークインクリニックを検討(ファミリードクターがいる場合はそちらへ予約)
- 判断に迷ったら、まずは811に電話相談
- テキストで気軽に相談したい場合は、ジャムズネット・カナダを活用
海外での子育ては不安がつきものですが、情報を知っておくだけで、いざという時に落ち着いて行動できます。
そして何より、毎日子どものそばにいる親の「なんだかいつもと違う」という直感を大切にしてください。

免責事項: この記事は、筆者の経験やリサーチに基づいた情報共有を目的としており、医学的なアドバイスに代わるものではありません。お子さんの健康状態について不安がある場合は、必ず専門の医療機関にご相談ください。
この記事が、カナダで頑張るパパ・ママが、いざという時に落ち着いて行動するための「きっかけ」になれば嬉しいです。
それでは、皆さんが安心して過ごせますように!
Ruby Park
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